神経免疫軸における迷走神経
迷走神経は、4/5求心性線維と1/5遠心性線維を持つ混合神経です。
脳と胃腸(GI)管との間の双方向の通信を通じて、神経免疫軸と脳腸軸の重要な構成要素です。
迷走神経は2つの抗炎症作用があります。
①視床下部-下垂体-副腎軸を標的とする迷走神経求心性神経(求心性線維を介して視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸を刺激し、副腎からグルココルチコイドを放出)
②コリン作動性抗炎症経路を標的とする迷走神経遠心性神経(迷走神経求心性線維と遠心性線維の間の脳幹統合通信、すなわち炎症反射を含む迷走神経反射を介して、コリン作動性抗炎症経路(CAP))
自律神経バランスは、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、関節リウマチ(RA)などのさまざまな病状で乱れています。
特に、副交感神経活動の低下に代表される自律神経機能障害は、リウマチなどの慢性炎症性疾患の発症に関与します。
サロンでは自律神経を測り、どのようなセラピーをするかを決めていますが、最近は迷走神経が低く、交感神経活動が高い方は、不整脈が見られます。
不整脈や心不全、高血圧、虚血/再灌流障害などの多くのは病理学的状態と相関すると報告されています。