帝王切開児の腸内細菌は?

出産の方法で腸内細菌は変化する

子宮内胎児の腸管は無菌。あかちゃんが生まれるときに母親の産道を通過する間に、口、鼻、喉を介し、また母親との濃密な接触からまた母乳から母体由来のBifidobacteria(善玉菌)を獲得します。

これらの菌は生後数日で腸内に定着します。ですが、低置血管や低置胎盤、未熟児の多くは帝王切開で生まれてくるため、悪玉菌が腸管に定着しやすいのです。現在、30代や40代での出産もふえていることから帝王切開で生まれるお子さんが増えています。このことから考えると、やはり腸内細菌叢の乱れはさけられないと思います。

帝王切開児の感染を防ぐための機能(免疫力)は未発達なため感染症を発症するリスクは高くなり、抗生物質を投与される機会が多くなります。

私の第2子は低置血管という不思議な出産でした。しかも胎盤が二つもありそれを一本のへその緒でつながっている状態でした。胎児の頭の上を血管が通っている状態でしたので、帝王切開で出産となりました。先にも上げましたが、やはり腸内細菌叢の乱れがあり、肺炎も起こしました。腸の疾患は1歳までに何度もかかりました。その度に抗生物質を投与され・・・。アナフラキシーを起こすまでになってしまいました。

腸内環境の悪化は全身への感染症や新生児壊死性腸炎に発展することもあるのです。これらの、リスクに対応する方法は2つあります。一つは母乳です。最近は母乳を出すことをせず、ミルクで育てるお母さんがいますが、母乳には炎症を抑制する免疫調整活動休止中の多数の白血球及びオリゴ糖などのグリカン、ブレバイオティクスが豊富に含まれています。母乳はあかちゃんのお薬です。ぜひ、たくさん作り、冷凍庫で保管してください。高熱を出した際にその母乳を与えるだけで免疫力がつきます。腸管免疫を調整し、感染予防、炎症までも鎮静化しつつ、病原物質に対する免疫学的メモリーも徐々に獲得するすぐれものです。これらの生体防御成分は腸管壁層に直接作用し腸管の発育や腸管運動、栄養吸収までも助けるのです。自然免疫を増強し獲得免疫を誘導する力を発達せんとする母乳はあかちゃんのエネルギーです。

母乳はでなかった・・・という方にはもう一つの方法は、Bifidobacterium Breve(弊社のあかちゃんの菌オプナニTM)を産後直後から継続投与することで、蠕動運動と悪玉菌に対する抵抗性をつけていく方法です。更に母乳に含まれているラクチュロース(医薬品にもなっています)はビフィズス菌を増やすもっとも効果的なオリゴ糖です。蠕動運動と腸内細菌がしっかりしていれば、成長ホルモン分泌もされやすいですので、身長が伸びないなどのお悩みをお持ちの方は、腸内環境から整えていくのが一番早いと思います。

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